JAMIS Allegro Sport Discのフロントシングル化
フロントシングル化
フロントシングル化とは文字通りフロントの変速をなくしてシングル化し、リアのみ多段変速にすることです。ワンバイ(1x)化ともいいます。
ロードバイクはまだまだフロントマルチが主流ですが、それ以外の分野では空前のフロントシングルブーム…ということで、Jamis Allegro Sport Discをフロントシングル化してみました。
フロントシングルといえばSRAM!といっても過言ではありませんが、パーツを揃えやすいシマノにしています。チェーンリングだけabsoluteBLACKというという海外メーカーの36T楕円リングにしましたが、基本はSLXの1x10です。
パーツ構成
購入したパーツは以下の通り。購入先はチェーンリングがBike24*1、リアディレイラーがbikeinnで、それ以外はワールドサイクルです。
品目 | メーカー | 型番・モデル名 | 購入価格 |
---|---|---|---|
クランク | シマノ | FC-M7000-11-1 | ¥8,274 |
チェーンリング | absoluteBLACK | OVAL XT M8000 chainring (36T) | €40.33 |
ボトムブラケット | シマノ | SM-BB52 | ¥1,393 |
チェーン | シマノ | CN-HG95 | ¥2,421 |
スプロケット | シマノ | CS-HG50-10 11-36T | ¥3,097 |
右シフトレバー | シマノ | SL-M7000-10-R | ¥3,177 |
リアディレイラー | シマノ | RD-M7000-10-SGS | ¥5,628(送料込み) |
駆動系の総とっかえです。元のクランクが使用できればもっと抑えられたのですが、シマノのFC-TY501(Tourney)はチェーンリングの取り換えができない仕様だったのでダメでした。ボトムブラケットとスプロケはちょっとケチってDeoreクラスのものにしています。
リアディレイラーはSLXの10速モデルですが、M7000系のSLXは11速が普通で10速はレアと思われます(3x10用らしい)。M7100系が発売された後だったこともあってか、国内の通販サイトで発注すると、『メーカー在庫なし』の回答が。Deoreの10速にしても良かったのですが、その時点で先にSLXのシフトレバーを入手してしまっており、できればリアディレイラーも揃えたいということで、海外通販サイトのbikeinnで見つけてなんとか購入できました。
チェーンリングだけabsoluteBLACKにしたのは、シマノ純正より歯数が多いのと、楕円のリングがどんなもんかいなという興味からです。シマノ純正のSLX/XT用のナローワイドリング*2は34Tまでですが、元のミドルギアが38Tだったので少し足りないかなと思い、それより大きいもので探しましたが、absoluteBLACKも36Tが最大で、結局純正とあまり変わらなかったかも…。なお、wolftoothの正円なら38Tまで(楕円は34Tまで)ありました。
互換性について
パーツ選びの際に気を付けないといけないのが互換性ですが、その辺りについて少し書いておきます。
チェーンライン
一番気になったのがチェーンラインです。チェーンラインとはなんぞやについては下記サイトに詳しく説明があります。
もともと付いていたクランクがMTB用でしたし、エンド幅が135mm(MTB仕様)のフレームなので、クランクはMTB用のものにしておくのが無難だと判断しました。ただ、SLXは同じMTB用とはいえエンド幅135mm(クイックレリーズ式)ではなく142mm(スルーアクスル式)用に設計されているものと思われるので、エンド幅135mmのクロスバイクに使用できるのか?というのが不安の種でした。なお、ロード用のクランクだとチェーンライン狭すぎるのと、下手するとクランクがフレームに接触する可能性もあるのかな?
さて、シマノの商品ページに記載の仕様によればFC-M7000-11-1のチェーンラインは50mm、absoluteBLACKのページでは49mmとあります。一方でエンド幅135mmの8-10速ではスプロケ側のチェーンラインが44.5mmほどのようです(実測していません…下記サイトを参考にしました)。
bicycle.mydns.jpつまりこの組み合わせだと、フロントが結構外側にくることになります。ただ、元の構成でフレームセンターからフロントのミドルギアまでの間隔*3が実測で50mmでしたし、ミドルギア固定でリア側を上から下まで使えているのでなんとかなるだろうと考えました。
8速から10速にすることでスプロケの各ギア板の間隔が狭まるので一抹の不安がありましたが、ダメだったらBBとクランクの間か、クランク(スパイダー)とチェーンリングの間でスペーサーを使って調整する覚悟で望んだという次第です。
結果としては、素人がただちに認識できるほどの問題はないようで一安心。
8速からの10速化
シマノ製(または互換品)の8速から10速までのカセットスプロケットは同じフリーボディに取り付けて使用可能です。11速はスプロケの幅が大きくなり、8〜10速用のフリーには収まらず使用できません。ということで10速を選択しました。
…が、どうもそれはロード系コンポーネントの常識であって、MTB系にはあてはまらないということを先ほど知りました*4。シマノの互換表を見ると、11速のところにこうあります。
MTB9/10スピードドライブトレイン用のその他の現行フリーハブ
どうもMTB系コンポーネントは9〜11速のフリーボディ規格が共通のようです。8速に関して言及されていないのが気にはなりますが、今回10速のスプロケが問題なく使用できているので、11速化まで可能だったようです。苦労してわざわざマイナーな10速SLXを入手する必要はなかった??
まぁ、10速の方が耐久性はあるはず…ということで良しとしますわ(泣)。
ボトムブラケット
元々付いていたのはクロスバイクではお馴染み、シェル幅68mmのスクエアテーパーのものでした。これはシマノの上位グレードのクランクに対応するホローテック2に問題なく換装できます。
シャフトが一体になっているスクエアテーパー式に比べ、ホローテック2の方式ではネジ溝やフェイス面の精度が求められるという話もありますが、取り付けや乗ってみた感じではとりあえず問題なさそうでした。フレームとの間に樹脂製のスペーサーが挟まるかたちになったので、フェイス面の精度は特に気にする必要もないかな。
パーツ選定についてはこんなところでしょうか。取付作業の詳細などはまたの機会に…。
ちょっとした感想
小関越ルートで琵琶湖まで走ってみましたが、変速が気持ちよくなりました。ガチャガチャとかガッチャンって感じだったのが、コリコリとかカクンって具合で小気味よいです。
ギアレンジについては3x8のときよりかなり狭くなっていますが、軽い方は一応1:1まで確保していますし、貧脚なので重い方も平地では現状これで十分かなという感じです。
楕円チェーンリングの効果は正直いってよく分かりません。違和感も特になしです。ナローワイドが奏効してか、チェーン落ちなどのトラブルも出ていません。
あと、Qファクター(ざっくりいえば左右のクランクの間隔)が狭まって、前より漕ぎやすくなったように感じます。