チューブレス化(WTB Horizon+KOM) その1
先日購入したKonaのRove LTDはチューブレスレディのタイヤとリムが付いていました。共に米国WTB社のもので、タイヤはHorizon 650x47c、リムはKOM i25というやつです。購入時点でチューブが入った状態になっていたのをとりあえずそのまま乗っていましたが、二月ほどしてチューブレス化を決行しました。
チューブレス化のメリットや、細かな手順については改めて語る必要もないと思うので省略。
準備
ビード上げが大変という話をよく聞くので、作業の成功率を高めるため専用の機材を調達しました。フロアポンプに繋いで使用する補助タンクのようなもので、ポンプで一旦ここに空気を溜め込んでから一気にタイヤに注入することができます。SARFASというブランドで販売されているエアフォースワン(AF-1)という商品をYahooショッピングで購入しました。SchwalbeやTopeakなどからも同様の商品が出ていますが、こちらの特徴はざっくり以下。
- 充填可能な空気の量が多い
- 安い
- 大きく、重い
同等品と思われるBETO CJA-001Sというのが海外サイトのレビュー記事で好評価だったので、はじめそれを見て買おうとしていたのですが、後で見つけて少しだけ安く購入可能だったAF-1になりました。なお、シマノPROのコンプレッサータンクってのもほぼ同等品と思われますが、最大空気圧の数値が少し大きいのと、口金の変更があるようです。また価格は2〜3千円ほど上がります。。
チューブレスレディリム+タイヤのチューブレス化に必須のシーラントは定番のSTAN'S。リムテープはWTBのものにしておきました。リムの内幅+5mmが推奨だというので30mm幅のものを購入。あと、なんとなくParkToolのバルブコアツール。これらはWiggleで買いました。コロナの影響で配送に時間がかかるかなと思いましたが、一週間とちょっとくらいで届きました。
チューブレス用のバルブは自転車に付属していたので事前にしていた準備はこんなもんですが、後でシーラントの注入用にシリンジが必要になりました。
タイヤの取り外し、ビード上げのお試し
ホイールを車体から、タイヤをホイール(リム)から取り外します。ビードがリムにビッチリとはまり込むかたちになっているので引き剥がすのに少々力が要りました。タイヤを外してみると、リムテープはチューブレス用のものが貼られていました。
テープは上の写真のようにシワひとつないよさ気な状態だったので、そのままチューブレス用のバルブを取り付け、タイヤをはめ直してビードが上がるか確認しました。
チューブレスのタイヤはリムにはめるのに相当力が要ると聞いていましたが、素手でも拍子抜けするほど簡単にはまりました。チューブ入りで乗っている間に少し伸びた?ただ、タイヤがリムに対して少し大きいのかタイヤの縁とリム(テープ)面との間にかなり隙間があり、この時点で本当に空気が入るのか不安がよぎりました。
空気入れでポンピングすると、案の定、そのままスースーと抵抗もなく隙間から空気が抜けていきます。まるで手応えなし。この感じだと流石に無理かなと思いつつ、AF-1を使ってみたところ、やはり全然ダメでタイヤに空気が貯まっていく気配はまるでなし…マジでか?
この段階を図にするとこんな感じ。タイヤに空気を入れても隙間からスルー。
石鹸水をリムにまとわせると良いという情報をネットで仕込んで、試してみるもこの時点では効果なし*1。
リムテープ追加
どうも、ニップルホールの凹みができる程までリムにテープが密着した状態が良くないのでは思い、既に貼られていたテープの上からもう1周追加で巻くことにしました。ホイールを地べたに置いたままだとやりにくそうだったので、逆さまにひっくり返した状態の自転車に取り付けて作業しました。油が大敵と聞くので、脱脂剤(シリコンオフ)でしっかり拭きあげたうえ、粉なしのニトリル手袋をつけての作業です。
ホイールを自転車につけて作業したのは正解で、テープに適度なテンションをかける、位置を合わせるということが非常にやりやすかったと思います。チューブレス用のリムテープを使うのが初めてだったので、WTBのテープについて良し悪しを語ることはできませんが、特に扱いにくさは感じませんでした。
一周巻いた後、熱したドライバでバルブを通す穴を開け、タイヤ+チューブを付けて空気を入れることでテープを押さえました。指で押さえるより均一な力がかかるかな…と。ただ、リムに完全密着してしまうとチューブ無しでビード上がらない問題の解決にならないので、ビードが上がるまで空気を入れた後、空気圧を下げておきました。
小一時間の放置後、タイヤ・チューブを取り除くと下記のような状態でした(写真なし…)。
- リム外側のビードが載る部分はテープが密着
- リム中央側はテープが少し浮いた状態でところどころシワあり
バルブとタイヤと付けてポンプで空気を注入すると、依然としてタイヤが膨らんでいく感じはあまりないものの少し抵抗がでてきているような感じ。タイヤとテープが接触するようになったのだと思われます。多分こんな感じ。
ただこの状態でも空気の漏れは速く、AF-1を使用しても殆どタイヤは膨らんでいない感じでした。
+石鹸水でビード上げ成功
続いて、再び石鹸水の力を借ります。目的は滑りを良くすることではなく、リムテープとタイヤの接触面の密閉性を高めることなので、濃い目でモコモコした泡をスポンジで作ってたっぷりリムに載せてからタイヤをはめました。
ここで前との違いを感じます。
- ホイールに対してタイヤを回す際の抵抗が大きい
- タイヤを押して凹ませる際にブシュッという音が鳴る
確実に密着性が上がっています。空気入れで軽くポンピングするとシャボン玉のような泡が。密閉空間ができている証拠でしょう。
可能性を感じながら気合を入れて勢い良くポンピングすると、パンッ!パンッ!と音を立ててビードが上がりました。表面張力なのか何なのか、石鹸水効果侮れません。このタイミングで石鹸水ではなく、シーラントを使ってビードを上げることもできそうですが、ネバネバした液体が周りに飛び散りそうなのでちょっとやる勇気はありませんね…粘度が高く石鹸水より効果が高そうなので、やるなら最終手段で、屋外作業かな。
AF-1を使わずに上がってしまったのは意外でしたが、とにかく上がってくれてよかった〜。なんとなくこの状態でしばらく放置。空気が漏れる様子を見ます。
最大の難関はクリアですが、この後も作業はけっこう続いたので、今回はここまでにして次回に続く…。
そういえば今日は七夕です。このブログも丸一年…もっと色々なことを書くつもりで始めましたが、自転車ネタオンリーで、更新も稀。誰に求められるでもなく、何のためにやっているのかもよく分かりませんが、この調子で細々続けようと思います。
*1:横着してタイヤをリムから外さず隙間から流し込むような感じだったので、量が少なかったという可能性もあり